世界の大問題

池上氏の本はわかりやすい。多くの人に読まれるのもよくわかる。自分自身がアメリカ以外の国の事情に詳しくないので、特に中東・インドの辺りの問題は参考になった。

学力低下ではやはりフィンランドを参考にしていたが、単に PISA が高いことを持ち上げるわけではなくその理由にまで踏み込んでいたのはさすが。「現場への信頼」、「20人学級」などのキーワードと共に次の一節に反応。

  • フィンランドの高い学力の秘密はもうひとつ。教師が授業に専念できることです。日本の場合は、授業が終わっても先生はクラブ活動の顧問として遅くまで学校に残ります。中学校では進路指導も大変です。生徒の進学先の相談にも応じなければなりません。フィンランドにはこうした仕事が一切ないのです。/先生の仕事は授業をすること。放課後まで世話をする必要はありません。進路指導も担任の先生が関知しないこと。どの高校に進むかは本人と家庭の問題。教師が口出しすることではないというわけです。その結果、フィンランドの先生は授業の教材研究に力を入れることができ、授業に専念できるのです。

安易に部活動がなければいいというわけではもちろんない。部活動に携わることでこちらが学べることもたくさんあるし、生徒の新たな一面が見えるということも往々にしてある。ただ、少しうらやましく感じてしまった。

いかん。今の環境でベストを尽くしていかなくては。隣の芝生ばかり見ていても仕方がない。