一般教養

大学受験に強くなる教養講座 (ちくまプリマー新書)

大学受験に強くなる教養講座 (ちくまプリマー新書)


読了。大学受験に必要以上の内容だった。まず、「はじめに」の次の箇所に共感。

  • 英語の"student"とは、単なる「生徒」や「学生」ではありません。「学者」であり、「学徒」です。そして"student"の仕事とは、「論文」を読み、書くことに尽きます。受験生から、よく「大学の講義に期待している」という声を聞きますが、本来、大学生がもっとも時間を費やすべき場所は図書館です。図書館にこもって先行論文や先行文献をひもとき、そうした先人たちの研究の積み重ねの上に、一本だけ新たに論文を書き上げる。それが「卒論」です。


各章の最後に「この一冊」として紹介されているものから、特に興味を持ったものを並べると、

  • 第1章「還元主義を超えて」 Fritjof Capra, The Turning Point: Science, Society, and the Rising Culture
  • 第2章「言語とコミュニケーション」Gregory Bateson, Steps to an Ecology of Mind
  • 第5章「アメリカ化する世界」 F.A. Hayek, Law, Legislation and Liberty, Volume 1: Rules and Order


また、第6章の以下の箇所を読み、自分自身の姿勢がまだまだ甘かったことを再認識した。

  • 経済学者が、たとえばアメリカ経済を研究しているとして、その人が心の底からアメリカ経済を理解したいと願うなら、経済学という狭いディシプリンにとどまっていることはできなるなるはずです。アメリカという存在は、単に経済的な存在だけではないからです。肩肘張って「学際研究」などと構えなくてもいいのです。これ以上新しい学問を増やす必要はありません。既存のディシプリンに身をおいていていい。「実存的な学問」をすることです。研究対象に自分の全存在をあげての関心を持つこと。そうすれば、ひとりでに学際研究になっていくと思います。つまり、「ひとり学際」です。それそ、僕たちの目指すべきものだと思います。 (pp.170-180)