『ネットと戦争』

ネットと戦争―9.11からのアメリカ文化 (岩波新書)

ネットと戦争―9.11からのアメリカ文化 (岩波新書)

読了。青山南氏はすばらしい翻訳家の一人だか、ネット世界にこんなにも傾倒しているとは知らなかった。また9.11を機に、アメリカのメディアだけでなく、作家や詩人たちがこんなにも多くのメッセージを発していたとも知らなかった。

  • ネットのなかが、かなり成熟したものになっていたおき、2001年9月11日の大事件は起きた。マスメディアの力を借りなくても、ネットから情報が引き出せた。マスメディアが伝える情勢がほんとうかどうかも、ネットで調べることができた。マスメディアが伝えない事件や過小評価している事柄もネットで知ることができた。いろんな人間のいろんな意見もすぐに聞けた。じつにたくさんの声であふれてかえっているのがネットだから、いくらでもいろいろな話は聞けるのである。(「あとがき」p.206)


溢れる情報の中から「偽もの」でないものを選び出すのが大変なのだが、この本では著者がそこに行き着く過程も見られる。その点でも非常に参考になった。


また、p.121に紹介されている、アメリ国務省のサイト「作家たちによるアメリカ論」(http://www.america.gov/publications/books/writers_america.html)は、当時(2002年)職場の先輩から紹介され、前ページプリントアウトしてとってあった。これを機に再読してみようと思った。